鳥栖野菜をいただきます！ 春野菜編

旬の野菜は美味しくて栄養素もたっぷり！そこで今回は、鳥栖で作られている野菜こと“鳥栖野菜”をピックアップ。特徴・購入場所、さらには人気の飲食店によるレシピを紹介します。毎日の食事にぜひ「鳥栖野菜」を取り入れましょう。

実は全国に自慢できる物ばかり！鳥栖野菜の魅力

鳥栖ではどんな野菜が採れる？

鳥栖市は脊振山地東部の九千部山や石谷山などの山間部から、佐賀平野にあたる平地まであり、多彩な作物に適した風土。主に米や麦のほか、野外の畑で育てる「露地栽培」のタマネギやキャベツ、ハウスや温室で育てる「施設栽培」のアスパラガスにイチゴなどが収穫できる。そのほか、人参特有の臭みを抑えた「プチキャロット」や次の特産品として期待される「マコモタケ」といった、新たな農産物も手がけており、四季を通して様々な野菜が採れるのだ。

鳥栖はアスパラガス発祥の地!?

いまや佐賀県全域で生産され、全国でもトップクラスの生産量を誇るアスパラガス。この飛躍に大きく貢献したのが、鳥栖なのだ。アスパラガス栽培の始まりは昭和29年。試験的に鳥栖で栽培がはじまり、露地栽培で年に1度の収穫をしていたそう。しかし、病気などにより年々収穫量が減少していた。そこで昭和58年、全国に先駆けてアスパラのハウス栽培を開始。さらに春に加え夏の収穫、夏芽の秋収穫を実施した結果、収穫量が飛躍的にアップ！県内全域に栽培方法が普及したのだ。年中アスパラガスが食べられるのは、鳥栖のおかげと言っても過言ではない。

生産量は全国2位！佐賀は北海道に次ぐタマネギの産地

佐賀のタマネギは、春～秋に出荷されるなかでは全国1位の生産量。また、年間を通しても全国2位の生産量を誇っている。これだけの生産量を誇れる秘密は、多彩な品種。3月中旬の極早生品種を筆頭に、10月の晩生品種までさまざまな品種をリレーして出荷しているのだ。また、佐賀平野はミネラル分が豊富な重粘土質の土壌。そのため、栄養価が高くほど良い甘みのタマネギができるそう。

あのお菓子やコンビニでも鳥栖野菜が大活躍！

九州でも有数のジャガイモ産地である鳥栖には[カルビー株式会社]との契約農家があり、「ポテトチップス」に加工されている。また、[セブンイレブン]のカット野菜キャベツも鳥栖を含む佐賀県産がほとんどを占めているほか、[リンガーハット]のちゃんぽんにも鳥栖キャベツが入っているのだ。買い物や外食の際は、ぜひチェックしてみよう。

春を代表する鳥栖野菜はこの4つ！

アスパラガス(品種:ウェルカム)

太陽の光をたっぷり浴びて育ったアスパラガスは、疲労回復に効果的な「アスパラギン酸」や妊婦に嬉しい「葉酸」「ビタミン」、更には血管を強くする「ルチン」も含んでおり、とっても栄養価の高い野菜。特に4月上旬位まで出回るものは、とにかく瑞々しくて柔らかく甘みが感じられるのが特徴的だ。天ぷら・おひたし・ベーコン炒めなど、サッと火を通してシャキッとした食感を楽しもう。また、アスパラガスの繊維数は、太さに関わらず同じ本数。やわらかいものが好きな人は、薬指以上の太さの物を選ぶと◎。

タマネギ(品種:貴錦・春一番)

血液をサラサラにし生活習慣病の予防や、殺菌・免疫アップにも役立つ「硫化アリル」、むくみ改善に効果的な「カリウム」、抗酸化・脂肪燃焼を促進する「ケルセチン」と、身体に嬉しい栄養素がたっぷり含まれているタマネギ。4月上旬までは、全国でも大人気の極早生品種「春一番」が手に入るチャンスだ。水分が多く辛みも少ないので、生のままスライスし、ふわっとした食感を楽しもう。なお、4月下旬以降のものは辛みが出てくるため、火を通した方が美味。新タマネギを選ぶ際は、白くてふわふわしたものがおすすめだ。

キャベツ(品種:寒玉・さつき女王)

胃腸の働きを整える「キャベジン」ことキャベツ特有の「ビタミンU」をはじめ、抗酸化作用のある「ビタミンC」、血液や骨を丈夫にする「ビタミンK」、ミネラル分などが豊富なキャベツは、育ち盛りの子どもにも摂取して欲しい野菜。鳥栖では冬キャベツをメインで栽培しており、冬は生でもOKだが春先はやや硬めになっているのだそう。その分、ロールキャベツや鍋物といった煮込み料理や炒め物にしても崩れにくく、甘みは倍増。巻きがしっかりと詰まり、ずっしり重い物を選んで。

イチゴ(品種:さがほのか・いちごさん)

「イチゴは果物では…？」と思いがちだが、実は農林水産省の定義によるとイチゴはスイカやメロンと同じ「果実的野菜」なのだそう。そんなイチゴには、「ビタミンC」「葉酸」「キシリトール」「カリウム」など、女性が喜ぶ栄養がたっぷり！特に佐賀は、あっさりとした酸味と上品な甘みで長年人気の「さがほのか」と、真っ赤な美しい見た目と甘みと酸味にメリハリのある20年ぶりの新ブランド「いちごさん」が採れるイチゴの産地。ヘタがピンと張ったものが新鮮な証拠なので、ぜひ食べ比べを楽しんでみて。

鳥栖野菜を買うならぜひココで！

野菜を買うなら、生産者の顔が見える所で安心して買いたいもの。そんな新鮮かつ安全な鳥栖野菜の販売所を紹介！野菜以外の生鮮食品も並んでいるので、地元のイイモノを手に入れよう。

まさに“鳥栖野菜”の専門店！JA産直 うちの畑

[JAさが]直営の農産物直売所。“生産者の顔が見える直売所”をモットーに、安心安全な食品を提供している。売り場には鳥栖市を中心とした佐賀県産の新鮮な農畜産物・加工品がずらり。特に野菜類は午前中で売り切れる場合も多いので、目当ての商品がある際は、朝イチで訪れよう！

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月に1度のお楽しみ！とすの朝市

[佐賀銀行 鳥栖支店]の駐車場で、毎月第3日曜に開催されている朝市。9年目となった今では、鳥栖や近郊地域のほか八女や唐津からも出店があり、野菜・魚・菓子など約20軒が並ぶ。また、卵の掴み取りをはじめとしたイベントも大人気！いつもの日曜よりちょっと早起きして足を運ぼう。

飲食店オーナー直伝！自宅でもできる鳥栖野菜レシピ

せっかく新鮮な野菜を手に入れたら、美味しい料理で味わいたい！そんな人のために、人気の飲食店3店舗から鳥栖野菜レシピを伝授。ぜひ家でプロの味を再現してみよう。

一物全体！新タマネギをまるっと使った3品

◎サクッと食感 葉と根のかき揚げ(写真左)

材料(2人分)
・新タマネギの葉と根…2～3個分
★小麦粉…大さじ2強
★水…大さじ1と1/2
★塩…2つまみ
★ベーキングパウダー…1つまみ
・菜種油…適量
作り方
①新タマネギを洗い、葉と根をひと口大に切る
②★の材料を混ぜ、葉と根を入れる
③油を180°に温め、②をスプーンなどでひと口大にし、投入する
※大き過ぎると加熱ムラができるので注意
④サッと揚げたら油を切って盛り付ける

◎ダシは皮で！新タマネギスープ(写真上)

材料(2人分)
・新タマネギの皮…1～2個分
・新タマネギの付け根…少々※葉と身の中間部分
・水…250～300cc
・塩…2～3つまみ
・菜の花(あれば)…適量
作り方
①タマネギをよく洗い、皮と水を鍋で茹でる
②その間にタマネギの付け根は輪切り、菜の花はひと口大に切る
③鍋が沸騰して5～6分程経ったら、皮を取り除く
④塩・付け根・菜の花を入れてひと煮たちしたら完成！

◎パパッとグリル焼き(写真右)

材料(2人分)
・新タマネギ…1～2個
・オリーブオイル…適量
・塩…適量
・好みのスパイス…適量
作り方
①新タマネギを3～4等分の輪切りにする
②切り口にオリーブオイルを塗り、塩をパラパラ振る
③グリル(またはトースター)で6～7分焼く
④表面に焦げ目が付いたら取り出し、仕上げに好みのスパイスを振って仕上げる

このレシピを教えてくれたのは…

カフェ おおきな樹

[東公園]近くに位置し、自家製の有機野菜や調味料を使った、“からだが喜ぶ食事”を提供する一軒。1日10名限定のランチ(1,500円/完全予約制)は、連日満席で予約が難しいが、野菜や調味料を店頭販売しおり、購入だけの来店もOKだ。まずは一度、足を運んでみて！

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いろんな野菜でOK！簡単で食欲をそそる1品

◎アスパラとタマネギのオリーブオイルマリネ

材料(1人分)
・アスパラ…3本
・タマネギ…1/4個
・冷蔵庫にある野菜(キノコ・ナス・ナガイモ・ネギなど)…適量
・サラダ油(揚げる用)…適量
・オリーブオイル(生食用)…少々
★ポン酢…100ml
★おろしショウガ…小さじ1
★おろしニンニク…小さじ1
★マーマレード…大さじ1
★ゆずこしょう…お好みで
作り方
①野菜を食べやすい大きさにカットする
②★の材料を野菜が入る大きさのボウルやタッパーに入れて混ぜ、調味液を作っておく
③サラダ油を170°に温め、野菜に合わせて1～2分程素揚げする
④素揚げした野菜を調味液に浸してなじませる
⑤調味液がなじんだらお皿に盛りつけ、仕上げにオリーブオイルをひとまわしかけて完成！

このレシピを教えてくれたのは

おもてなしごはん。 OYOBARE(オヨバレ)

1日の野菜摂取目標量の70%以上を、1食で賄えるランチが人気のカフェ。1日限定40食の「おまかせベジタブル(1,200円)」では、佐賀県産野菜をふんだんに使用している。また、ワークショップやイベントも定期的に開催！詳細はホームページやSNSを見てみて。

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シャキッ＆プリッとした食感がたまらない！

◎海老とアスパラガスのトマトクリームパスタ

材料(1人分)
・アスパラガス…1本※細い物なら2本
・海老…6尾
・パスタ…80g
・トマトソース…90cc
・生クリーム…40cc
・オリーブオイル…小さじ1～2
・塩…ひとつまみ
★パルメザンチーズ…適量
★ブラックペッパー…適量
★パセリ…適量
作り方
下準備
・アスパラガスはピーラーで皮を剥き、3～4等分に切る
・海老は背綿を取る(むき海老を使用の場合は不要)
・鍋にパスタを茹でる用とアスパラガスの下茹で用のお湯を沸かす
・フライパンへオリーブオイル・トマトソース・生クリーム・塩を入れておく※まだ火はつけない
①アスパラガスが太い場合は1分ほど下茹でする
②パスタを規定の時間通りに茹で始める
③パスタの茹で時間が残り4分になったら、フライパンを中弱火で温める。ふつふつしたらよく混ぜ、海老を加える
④パスタの茹で時間が残り30秒になったら、フライパンへアスパラを投入
※下茹でなしの細いアスパラガスは、海老と同時に加える
⑤パスタが茹であがったらソースとサッと和える
※味見してみて、好みの塩加減に調整する
⑥お皿へ盛り付け、パルメザンチーズ・パセリ・ブラックペッパーの順に振りかければ完成！
※パスタとソースを同時に作るのが難しい場合は、先にソース作りの③を行い、一旦火を止めておく。パスタが茹であがる2分前になったら再び火を付け、④以降へ進めばOK。

このレシピを教えてくれたのは…

VERSATILE (ヴァーサタイル)

常時15カ国以上の、多国籍料理が頂けるダイニングバー。地元の新鮮食材×現地さながらの本格的な味わいに「世界旅行気分が味わえる」と評判の一軒だ。また、自然派ワインをはじめ、カクテルやノンアルコールも豊富に用意。ランチ・ディナー・バーと楽しんで。

取材をしての感想・まとめ

今回は[鳥栖市役所農林課]や[JAさが]の方にも取材協力をいただき鳥栖野菜の魅力をお伝えしましたが、いかがでしたか？旬の野菜は美味しくて栄養も満点！プロの鳥栖野菜レシピを取り入れて、たっぷりといただきましょう。